11月は衛生管理向上月間


“うつらない うつさない” ~COVID-19に打ち勝つ衛生管理~


 エステティックは、お客様の皮膚に直接触れるサービスを提供しており、さらにお客様との接触時間が長いことから他のサービス業に比べて感染のリスクが高くなります。
 感染症は、肉眼では確認できない細菌やウイルスなどが原因の疾患ですが、これらの細菌やウイルスなどは、正しい衛生管理を行うことで防ぐことができます。
 未知の細菌やウイルスによる感染症の世界的大流行は、昨今の新型コロナウイルス感染症をはじめ、ペスト、コレラ、インフルエンザなどたびたび発生しています。2000年に入ってからは、2002年重症急性呼吸器症候群(SARS) 2012年中東呼吸器症候群(MERS) 2019年新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が知られています。地域間の往来が活発化している現在では、新しく発生した感染症が広がるスピードが格段に速くなっていることから、新規感染症と判明した時にはすでに感染が広がってしまう傾向があります。
 感染症のリスクが高いエステティックでは、感染症の最新情報について注意するとともに、普段から十分な感染対策をとる必要があります。

 今回の衛生管理向上月間は、先行きが不透明な新型コロナウイルス感染症の最新情報と衛生管理の再点検を主な目的としていますので是非ご活用ください。

主催公益財団法人日本エステティック研究財団
後援厚生労働省
協力全国理容生活衛生同業組合連合会
 全日本美容業生活衛生同業組合連合会
 一般社団法人日本エステティック協会
 一般社団法人日本エステティック業協会


衛生管理向上月間(2021年11月1日~11月30日)

~contents~

●衛生管理啓発ポスターデータの公開
お店で行っている衛生管理の状況をお客様に知っていただくことで安心感を与えるとともに従業員の衛生管理への意識向上に活用できます。
下記のポスターデータをプリントアウトして使用してください。
衛生管理啓発ポスター(説明あり)pdf_icon
衛生管理啓発ポスター(説明なし)pdf_icon

(A3サイズでのプリントをお勧めします。コンビニエンスストアなどでできます。)

●衛生管理チェックシートの公開
感染症の原因であるウイルスや細菌などは、肉眼では見えませんのできれいになったかどうか確認できません。チェックシートを使用するなどしてあらかじめ決められた作業工程を漏れなく行うようにしましょう。
衛生管理チェックシートpdf_icon

上記のデータをプリントアウトして使用することもできますが、店舗で決めている作業工程に合わせて作成することをお勧めします。

●「エステティックの衛生基準」修得のためのeラーニング
2021年11月1日~11月30日の期間 web受講が特別価格2,000円(再受講料1,500円)で受講できます。(11月30日入金分まで)

申込はこちら

受講申し込み


●第14回エステティック学術会議
期間2021年11月1日~11月30日 配信方式

受講料2,000円
入金確認後 URL及びIDとパスワードをメールにてお送りいたします。

申込方法(メールのみとなります。)  宛
タイトル第14回エステティック学術会議
本 文氏名(ふりがな)、連絡先電話番号、メールアドレス
を記載の上送信してください。
受講料請求をメールにてお送りいたします。

注意事項 ・URL及びIDとパスワード発行後視聴の有無にかかわらずの返金は致しかねます。
・振込手数料は申込者のご負担となります。
・お振込み明細書をもって領収書とかえさせていただきます。
・お振込み後URL及びIDとパスワードのメールが届かない場合は事務局までご連絡ください。
・画面の右下に全画面ボタンがあります。映像開始後、全画面にすると見やすくなります。
・無許可で録音・録画する行為は法律で禁止されていますのでご遠慮ください。

講演内容
①「新しい日常生活で生じた皮膚障害とその対策」
関東 裕美 氏
公益財団法人日本エステティック研究財団理事長
東邦大学医療センター大森病院皮膚科客員教授
関東裕美氏(顔写真)


 世界的なCOVID-19流行に対し自粛生活を強いられた私達の日常生活は、自由を取り戻せない状況が続いている。積極的にワクチン接種が進んでいる一方、コロナウイルスは変異を続け私達はその蔓延状態に悩まされ多くの人達がストレスを抱えて日々過ごしている。このような状況であるからこそエステティシャンには人々に癒しの時間を提供して欲しいと願っている。
 感染防御目的にうがい、頻回の手洗いと消毒、マスク着用が皆の生活に定着してきたが、それに伴う様々な皮膚障害もみられる。感染対策を継続するためには各自が自分の皮膚質、バリア機能を考慮して、自分に適したマスクや洗浄剤、消毒薬の選択を行うことが必要である。このような社会状況であるから衛生管理が徹底したサロンであることを提示しないと利用者からの信頼は得られない。
 当然エステティシャンは施術にあたり長時間に及ぶマスク装着、頻回の手洗い消毒も要求される。安全な就業のためのコロナ感染対策によりエステティシャンにとっても職業性皮膚障害はより深刻な問題になってきている。顔や手指の皮膚障害は発汗時期、乾燥時期でその症状もさまざまであり、適切な対策が望まれる。安全な施術を継続するためにはエステティシャン自身各自の皮膚機能を維持しないと適切な感染対策をとることができない。
 本講演ではコロナ禍での皮膚障害の現状を紹介しその対策について日常診療で取り組んでいる現状をお話しする。感染対策を余儀なくされている日常生活で重要な自身のスキンケアについて考えて頂く機会になれば幸いである。



②「エステティックサロンの衛生状況の実態調査と衛生管理」
渡辺麻衣子 氏
国立医薬品食品衛生研究所 衛生微生物部第三室室長
渡辺麻衣子氏(顔写真)


 エステティックサービスの営業施設での微生物衛生については、これまで、感染症対策を意識し、施設で使用されるツールや化粧品、布類等において、微生物が付着・混入する検体の陽性率や検出された菌数などのレポートが散見される。しかし、施設室内の環境微生物衛生に関するデータはほとんど無く、施設室内環境の衛生管理レベルの実態は知られていない。そのためエステティックサロン室内環境の衛生管理については重要性の認識が不足している傾向にある。
 そこで施設での衛生環境の向上を目的として、施設内の微生物分布調査を実施した。東京都および神奈川県内の営業施設11か所を対象とした。施術室、洗濯や施術器具類の洗浄消毒を行う洗浄室、および外気にて空中浮遊菌を採取した。さらに、家具等表面の付着菌を採取した。これらの採取物を試料として、寒天平板培地上で培養し、菌叢を解析した。各施設における空中浮遊菌の総菌数を比較した結果、細菌と真菌とでは菌数の多い施設は異なった。細菌については、浮遊する菌は人由来であり、当日/調査直前の利用者の有無やその後の清掃状況を反映したものであること、真菌については、浮遊する菌はハウスダスト等室内環境由来であり、部屋の換気や普段の清掃状況を反映したものであることが考えられた。したがってそれぞれの菌の汚染を低く保つために求められる衛生管理方法は異なり、管理状況によっては菌が増殖し汚染が広がる可能性があることが考えられた。また、空中浮遊菌および付着菌の同定の結果、いくつかの施設において、室内の過剰な加湿や結露により増殖しやすい真菌の高濃度の検出や、薬剤耐性細菌および弱毒性の感染症原因細菌の検出が確認された。以上の結果から、施術設備や水回りを含む室内の清掃の徹底、および室内の空調または換気による室内湿度管理の徹底など、営業施設に対して室内環境の衛生管理に関する注意喚起を行う必要がある。



③「新型コロナウイルス感染症に関する最新情報」
舘田 一博 氏
東邦大学医学部微生物・感染症学講座教授
舘田一博氏(顔写真)

 2019年末、中国武漢市で原因不明の肺炎が流行、2020年早々、その原因が新型コロナウイルスであることが報告された。これまでにも新型コロナウイルスとしてSARS、MERSが報告されていたこともあって、世界中に緊張が走った瞬間である。日本においても1月16日に第1例が、2月初めにはダイアモンドプリンセス号における集団感染事例が確認され、世界中からその動向が注目される事態となった。その後の世界的蔓延はご承知の通りであり、これまでに感染者は2億人を超え、約480万人以上の方がお亡くなりになっていることが報告されている(2021年10月)。新型病原体ということもあり、感染症の特徴、診断、治療、感染対策に関して手探りの中での対応を余儀なくされた。この間、クラスター対策班などの努力により密集・密閉・密接、いわゆる3密が重要なリスク因子であることが報告された。本感染症の感染様式に関して、飛沫、接触感染に加えて、会話・発声のときに排出されるマイクロ飛沫の重要性が明らかとなっている。mRNAワクチンの有効性は期待を超えるものであったが、残念ながら時間とともにブレイクスルー感染の増加が報告されている。本発表では、新型コロナウイルス感染症と向き合ってきた約2年を振り返り、感染対策、診断・治療、そしてワクチンの重要性について発表させていただければと考えている。