エステティックサロンの衛生管理 導入の手引き

はじめに
財団法人日本エステティック研究財団発行「エステティックの衛生基準」をサロンで実行するための手順となります。
エステティックサロンにおける衛生管理の注意点」、「器具・用具類の消毒方法」、「チェックリストpdf/アイコン」をよく読み、準備を進めてください。

準備について

衛生管理責任者を決めます。衛生管理責任者は、日々衛生管理がきちんと実行されていることを確認します。
お客様の皮膚に直接触れるもので使い捨てでないものをリストアップします。
(使用しているものを集めるだけでもOKです)
使い捨てのものに転換できないかどうか検討する。
(なるべく使い捨てにした方が作業効率向上につながります。コストや施術の演出等を勘案して慎重に検討して下さい。無理して衛生管理が続かないようであれば意味がありません。)
別添一覧表を見ながら素材ごとに分類します。
分類できたら、一覧表の中から消毒方法を選択し、消毒薬等を用意します。(消毒方法の種類はなるべく少なくします。)
※消毒方法は、一つの器具につき1種類を選択します。例えば、消毒を行う器具類がガラス管、スポンジ、タオル、はさみのときは、エタノール水溶液とハイター等タオルを洗濯する際の塩素系漂白剤の2種類で全て消毒できます。
使用済みの器具等を入れる蓋つきの容器と消毒済みの蓋つきの容器を用意しそれぞれ「使用済み」「消毒済み」の表示を付けます。
消毒の手順を決めます。(例えば、お客様1人ごとに消毒するのか最後にまとめて消毒するのか等)
チェックリストpdf/アイコンを見ながら、チェックの手順を決めます。(健康状態をチェックする担当者を決め、清掃は実施した人がチェックする トイレや水回りの清掃又はチェックは1日誰が何回行うか等)1日の業務の中でスムーズに行えるよう決めます。

エステティックサロンにおける衛生管理の注意点

1.玄関・待合室

写真
お客様からサロン内に持ち込まれるものを、最小限に防ぐ。(除菌マットを敷く)
  • 入り口でエタノールなどによる消毒。(理想は、手洗いをしてもらう)おしぼり(一旦80℃以上に熱したものを60℃くらいで提供)も効果的。
  • 消毒後、拭き取ることが大切なポイントなので消毒用ウエットティッシュは効果的。
  • スタッフ自身も、外から入ってきたときは「手洗い・うがい」を実践する。

2.お客様が使用するものへの準備

写真
使い回しは無いように注意する。(複数のお客様が同じ物を使用しない)
  • トイレ・手洗いの手拭きは、ペーパータオルが良い。普通のタオルを使用する場合はお客様ごとに交換。石けんは液体のポンプ式。
  • パウダールームのコットンや綿棒などは、蓋付きのケースに収納する事。ブラシ類をおくときは、使用毎に交換する。化粧品類の共用は避けた方が望ましい。
  • 施術ルーム内の、ハンガー・ワゴン(お客様の肌に触れた器具を置いた場所周辺)・収納ケースなどお客様が使用した道具は消毒して次のお客様に準備する。使用毎に取り替えるものは別。

3.シャワールーム・トイレの清掃 (常時換気しておくこと)

写真
お客様が肌で触れる設備なので、特に注意が必要。
  • トイレは、使用毎とはいかなくても1日でチェックする回数は多い方が望ましい。
  • シャワールームは、使用後清掃し乾燥状態で管理することが望ましい。

4.消毒のポイント

写真
ゴム手袋を着用して行う。直接使用済み器具に素手で触れない意識が大切。
  • 洗浄と消毒の手順を最小限にしておくと、効率的で消毒の不備や手のかかり具合が減ってくる。
  • タオル類は直接肌に接するものは、白地にすると塩素系の消毒も気にならずに行える。直接触れず表面にくるものは、サロンに合わせて色やデザインを選ぶと良い。
  • 消毒した全てのものが、密閉されるケース・容器・棚にて保管できるようにする。リネン業者に依頼しているタオル類は、使用直前まで袋に入れたままが良い。

5.サロン内は湿度が高くなりやすいので、換気は充分に注意し細菌やカビなどが繁殖しやすい環境を防ぐ。



器具・用具類の消毒方法

器具・用具類/消費方法エタノール
水溶液
塩素系
薬剤水溶液
(ハイター等)
煮沸による
消毒
紫外線照射
による消毒
蒸気による
消毒
(蒸し器など)
逆性石鹸
水溶液
(オスバン等)
グルコン酸
クロルヘキシジン
両性界面活性剤
(テゴー51等)
ガラス類ガラス管・小皿・
ボール・カップ 等
木の材質オレンジウッド
スティックなど
       
獣毛類刷毛・
ヘアブラシなど
  
合成ゴム素材スポンジなど   
陶磁器類小皿・ボールなど
綿布類タオル・バスマット・
スリッパなど
  
合成樹脂素材スパチュラなど  
鉄素材体重計など   
ステンレス素材ハサミ・ツィーザー・
ネイルニッパーなど
※表内の○印は、その素材に適した消毒方法であることを示しています。
※タオル類については、塩素系薬剤水溶液を洗濯の際使用するのが望ましい。
@サロン内で使用する消毒薬は、種類を少なくすることで作業効率が良くなるので各サロンに適した選定をする。
 (すべての消毒方法をサロンに備え置くということではありません。)
A血液が付着した場合の消毒は、エタノール、塩素系薬剤、煮沸のいずれかを使用する。